前編では「初心者に対するジャーゴン問題」について考えてみました。
それって今まで散々誰かが語ってきたことじゃね?というツッコミはあるとして、
後編で話題にする「人狼プレイヤー同士でのジャーゴン問題」の土台になる議論だと思ってもらえればと思います。
「人狼プレイヤー同士でのジャーゴン問題」を一言で言い表すと以下のようになります。
「自分の知っている言葉を相手も同じように理解していると思い込んでしまうこと」
具体例を考えてみましょう。
Aさん「Cさんって白いよね」
Bさん「確かに白いけど狼っぽさもあるなー」
Aさん「え?白いって狼っぽくないって意味じゃないの?」
Bさん「白要素と非狼要素は別物でしょ」
あまり適切な具体例になっていない気もしますが、AさんとBさんは同じ言葉をやや異なるニュアンスで捉えており、そこからすれ違いが発生しています。
このような用語の解釈違いはいろんな村で見る気がします。
すり合わせが行われているならいいのですが、そうでないままエピローグを迎えるのも珍しくありません。
よくあることだし、そうやって相手を理解していくゲームじゃない?という指摘も一理あるのですが
そもそも人狼用語を使わなければ生まれないすれ違いだったんじゃない?
とも私は思うのです。
人狼用語を使わなければ先ほどの例は
Aさん「Cさんって狼っぽくないよね」
Bさん「村っぽい発言してると思うけど、狼っぽくないとは思わないな」
という会話になったはずです。
人狼プレイヤーは言葉を圧力鍋でコトコト煮込んでしまう習性があります。
たぶん、白とか黒って警察用語のシロ/クロから拝借されていて
もともと「疑わしくない」「疑わしい」くらいの意味しかもっていなかったと思います。
その言葉が「村人側っぽい」「発言がわかりやすい」「処理優先度が低い」みたいな風合いをもつにつれ、
「それ、初めからそう言ったほうが正確に伝わらない?」
と感じる場面が増えているような気がします。
前編で言及したとおり、ジャーゴンは議論をスピーディに行うのに有効です。
しかし、言語を圧縮しすぎると知らない人には何を言っているかわからないし、
知っている人でも解釈が異なれば無用なすれ違いを生んでしまいます。
「問題」と銘打った割に大したことない話になってしまいましたが、
「相手に理解してもらえること」
を前提にしようねという話なのでした。
ここからはあとがき的というか、本筋から逸れた話になるのですが、
人狼やってて「しんどい村」と「しんどくない村」ってありません?
たぶん村側か狼側かによっても異なるんでしょうけれど。
実態としてはともかく、参加者のほとんどが「相手に伝える気もないし、相手を理解する気もない」ように「見える」村って、どんな役でもしんどいと思うんですよね。
個人的欲求としては、勝利を目指すにしてもしんどくない村で遊びたいというのがあって
たぶんこの記事を書こうと思ったのもそれを目指したいからなんだろうなぁと思います。
しんどくない村を作りたいの会。