久しぶりに記事を書きますが、特段面白い内容ではないです。
ジャーゴンとは専門用語とか職業用語を意味する言葉です。
スラングやタームも近い意味を持っていますが、それらに比べて「ちんぷんかんぷんな言葉」という皮肉的なニュアンスが強いように思います。
知ってる人には伝わるけど、知らない人には突然悪魔召喚の詠唱を始めたと勘違いされる系のヤツです。
エロイムエッサイム我は求め訴えたり。
人狼は用語が多いゲームです。
CO、対抗、騙り、進行、縄といった言葉が飛び交い、またそれらを皆が理解している前提で議論は進んでいきます。
こういった用語は議論をスピーディーにするために用いられているようです。
「【非占霊】
2-2把握。占は統一で白なら霊ロラ、斑なら吊ってライン見る」
人狼プレイヤーに対しては問題なく伝わる文章でしょうが、これをゲームシステムしか知らない人が分かるよう噛み砕くと以下のようになります。
「【私は占い師でも霊能者でもありません】
占い師や霊能者だと宣言してる人がそれぞれ2人ずついるようだ。
占いの使い方だけど、2人で同じところを占うのがいいと思う。
彼が両方から人間だと言われたら2日間かけて霊能者をどちらも処刑したい。
逆に、どちらかから人狼であると言われた場合は占われた人を処刑したい。
それぞれの霊能者がどちらの占い師と同じ結果を言うのかを見たい。」
もっと簡潔にまとめられるかもしれませんが、先に挙げた例文にはこれくらいの情報量が詰まっています。
しかし、毎回毎回このような説明をしていたら議論に割きたい発言数や時間が削られてしまいます。
そのため人狼プレイヤーは言語を布団圧縮袋に詰める傾向にあるのでしょう。
全員に伝わるのであればそれで構わないと思います。
ただ、この傾向が二つの問題を発生させているように思います。
一つは「初心者に対するジャーゴン問題」、もう一つは「人狼プレイヤー同士でのジャーゴン問題」です。
「初心者に対するジャーゴン問題」は先ほど取り上げた例が示しているようなものです。
最初の文章は用語を知っている人向けに書かれており、知らない人が発想力や洞察力だけを頼りに内容を正確に理解することは困難です。
よしんば意味を調べてから参戦した勤勉な初心者であったとしても、いちいち用語を頭の中で噛み砕かなくてはならないため、発言を読み解くことそのものに労力を伴ってしまいます。
ここは人狼ゲームの敷居の高さの一因となっているように思います。
初心者が誰でも歓迎村に飛び込んで
「なんでこいつら悪魔召喚バトルを繰り広げているんだ……?」
とか
「宇宙言語を読み解くのに精一杯。人狼ってこんなに難しいゲームなの……?」
みたいな感想を抱くのも無理からぬことではないでしょうか。
他方でこれらの原因となっているジャーゴンは、やはり先ほど述べたとおり必要だから用いられている側面もあります。
一概に結論を出すのは難しいですが、歩み寄るなら経験者の方からではないかとも思います。
長くなったので二つに分けます。